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家の古い記録に「高等小学校卒業」とある。高等、という字が付くなら高校卒業として書き直していいのかな?
ここは、そのまま置き換えないでね。高等小学校と高等学校は、昔の学校制度でも別の学校として位置付けられていました。 現在の学校名に急いで直すと、もとの記録が伝える違いが消えてしまいます。
家系図の調査メモでは、まず資料にある学校名と年を残し、どの時期の制度かを調べる順にしてみよう。
「高等」という二文字だけで、同じ学校にしない
文部科学省の『学制百年史』の説明では、明治末年の学校体系の中で、高等小学校を義務教育終了者が進む学校の一つとして説明しています。一方、高等学校は、中学校卒業者などが進む高等教育機関として述べられています。
同じ「高等」があっても、前にどんな学校を修了した人が進むか、制度上の位置が違うんですね。
この説明は、明治末年の体系についてのものです。そのまま、時代の違うすべての記録へ一律に当てはめないでください。
また、ある人が実際に通ったことや卒業したことまで、制度の解説だけで分かるわけではありません。制度の一般説明と、その人について残った資料を、行き来して考えることになります。
学校系統図を見るときも、何年の図かを先に
同省の学校系統図のページは、明治25年、33年、41年、大正8年など、時期を分けた図と説明を載せています。学校系統図は、学校の種類や進み方のつながりを示す図です。
ここで、最初に見つけた一枚だけを、ずっと同じ制度の図と思わないこと。資料の年に近い時期を選び、図の説明や凡例も合わせて読みます。凡例は、線や記号などの意味を示す説明です。
調査メモは、たとえば次の形にできます。これは残し方の提案です。
| 残す欄 | 書くこと |
|---|---|
| 原資料の表記 | 学校名を途中で省かず、そのまま |
| 資料の年 | 卒業証書などに記された年月日 |
| 制度を調べた先 | 資料名・ページと、説明対象の時期 |
| まだ分からないこと | 本人の在籍、後の学校とのつながりなど |
後で調べ直すときにも、どこまでが家の資料で、どこからが制度の説明かに戻れます。「今の何卒に当たるか」は、根拠がないうちに確定欄へ入れないようにしよう。
学校の歴史を読み広げるなら、年代の合う章へ
学校と社会の歴史を学ぶ入口には、神代健彦さん・後藤篤さん・横井夏子さんの『これからの教育学』があります。有斐閣の公開目次には、近代学校の始まりを扱う1870〜1900年代、教育が広がる1910〜30年代などの章が並びます。
ISBNは9784641200067。ISBNは本の版などを識別する番号です。家系図の作り方や、すべての学校の沿革を網羅する本としての紹介ではありません。公開の概要と目次を見て、当時の学校を社会の中で考えるための関連書として挙げています。
高等小学校、という名前は消さずに、その隣へ調べた時期と資料を一つ。急いで今の学校名に訳すより、その人が生きたころの言葉を残すところから、足跡をたどれますよ。