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家系図を作ろうと、戸籍をさかのぼって集めていると、「そういえば、おじいちゃんの土地の名義ってどうなっているんだろう?」と気になることがありますよね。2024年4月から、相続登記の申請が義務になりました。法務省の「相続登記の申請義務化に関するQ&A」をもとに、そのしくみをやさしく整理しました。
この記事では、法務省の「相続登記の申請義務化に関するQ&A」をもとに、相続登記の申請義務化のしくみについて5つのポイントで整理します。後半の、家系図づくりのついでに、実家の土地や建物の登記を確かめる手順は、この記事の提案です。
※この記事は、2026年10月時点で法務省に掲載されている内容をもとにしています。確認日は2026年10月24日です。ここで紹介するのは原則的なしくみです。実際の手続きや、ご家庭ごとの事情については、法務局や司法書士などの専門家に確かめてくださいね。
相続登記ってなに?
名義を変える手続き
土地や建物の持ち主が亡くなったとき、相続した人の名義に登記を変える手続きのことを、相続登記といいます。
なぜ義務になったの?
相続登記がされないまま、持ち主がわからない土地(所有者不明土地)が増えていることが、社会の課題になっていました。その解決のために、法律が改正されたと法務省は案内しています。
家系図との関係
相続登記の手続きでも、戸籍をさかのぼって相続人を確かめる作業が出てきます。家系図づくりで集めた戸籍が、手続きのきっかけになることもありそうですね。反対に、相続の手続きで集めた戸籍をもとに、家系図を作りはじめる方もいるかもしれません。
相続登記の義務化 5つのポイント
1. 2024年4月1日から
相続登記の申請義務化は、令和6(2024)年4月1日から始まりました。それまでは任意だった相続登記が、法律上の義務になったんですね。
2. 知った日から3年以内
相続によって不動産を取得したことを知った日から、3年以内に相続登記を申請する義務があります。遺言で不動産を取得した場合も対象になります。
3. 前の相続も対象
2024年4月1日より前に相続が始まっていた場合も義務の対象で、2027年3月31日までに申請する必要があります(知った日によってはそれより後)。
4. 10万円以下の過料
正当な理由がないのに申請しないと、10万円以下の過料の対象になることがあります。ただし、法務局からの催告などの手順をふむ流れが説明されています。
5. 相続人申告登記
すぐに相続登記ができないときは、「相続人申告登記」で義務を果たすこともできます。法務局に、自分が相続人であることなどを申し出る手続きです。
5つのポイント早見表
| ポイント | 法務省の案内 |
|---|---|
| 2024年4月1日から | 施行日 |
| 知った日から3年以内 | 3年以内 |
| 前の相続も対象 | 過去の相続 |
| 10万円以下の過料 | 過料 |
| 相続人申告登記 | 申告登記 |
義務化はいつから?
令和3年の法改正
法務省のQ&Aでは、所有者不明土地の問題を解決するために令和3年に法律が改正され、これまで任意だった相続登記が義務化された、と説明されています。
2024年4月1日
法務省のQ&Aでは、相続登記の申請義務化は、令和6(2024)年4月1日から施行されたと説明されています。
3年の数え方
「自分のために相続が始まったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日」から3年以内、とされています。亡くなった日ではなく、知った日から数えるところがポイントです。
遺産分割をしたとき
遺産分割の話し合いがまとまって不動産を取得したときは、分割の日から3年以内に、その内容をふまえた登記を申請する必要がある、と案内されています。
2024年より前の相続はどうなるの?
過去の相続も対象
2024年4月1日より前に相続が始まっていた場合でも、まだ相続登記がされていなければ、義務化の対象になると説明されています。
2027年3月31日まで
この場合は、施行日の2024年4月1日と、不動産を相続したことを知った日の、どちらか遅いほうから3年以内に申請する必要があります。早い人では、2027年3月31日が期限になりますね。
祖父母の名義のまま
何代も前の名義のままになっている土地では、相続人がたくさんいることも。早めに確かめておくと安心です。代がかわるほど相続人が増えて、話し合いや書類集めに時間がかかりやすくなるからです。
「知った日」ってどういうこと?
不動産を知るまでは
法務省のQ&Aでは、亡くなった親が不動産を持っていたかよくわからない場合について、相続登記の義務は特定の不動産を相続で取得したことを「知った日」から始まるので、具体的に知るまでは義務はない、と説明されています。
話し合いがまとまっていないとき
遺産分割をしていない場合は、すべての相続人が法定相続分の割合で不動産を共有している状態になるので、相続する気がない人にも義務がある、とされています。遺産分割で別の人が取得することになれば、その人の義務はなくなります。
ほかの人が相続したとき
遺産分割の結果、きょうだいなど別の人が不動産を相続した場合は、相続していない人には相続登記の義務はない、と説明されています。
持っている不動産を調べる
法務省は、相続した不動産があるかどうかを把握しやすくするための「所有不動産記録証明制度」(令和8年2月2日施行)も案内しています。
申請しないとどうなるの?
10万円以下の過料
正当な理由がないのに申請をしないと、10万円以下の過料の対象になることがある、とされています。
いきなりではない
Q&Aでは、法務局が義務違反を知ったときは、まず申請するよう催告し、それでも正当な理由なく申請しない場合に、裁判所に通知する流れが説明されています。説明を受けて登記官が「正当な理由」があると認めた場合には、通知はしないとされています。
正当な理由の例
相続人がとても多くて戸籍などを集めるのに時間がかかる場合、遺言の有効性や遺産の範囲が争われている場合、申請する人が重い病気の場合、DV被害などで避難している場合、経済的に苦しくて費用を負担できない場合などがあげられています。
期限内の申請なら
マスタープランでは、2024年4月より前の相続についても3年間の猶予期間があり、その間に相続登記をすれば過料の対象になることはない、と書かれています。まずは期限を知っておくことが大切ですね。
事情は人それぞれ
正当な理由にあたるかどうかは、個別の事情によって判断されます。心配なときは法務局に相談してみてくださいね。
相続人申告登記ってなに?
かんたんな手続き
相続人申告登記は、登記簿上の所有者について相続が始まったことと、自分がその相続人であることを、法務局に申し出る手続きです。
義務を果たせる
3年以内にこの申出をすると、相続登記の申請義務を果たしたことになる、と法務省は案内しています。
ひとりでもできる
特定の相続人が単独で申し出ることができ、ほかの相続人の分も含めた代理の申出もできるとされています。ただし、義務を果たしたとみなされるのは申出をした相続人だけなので、全員分には、それぞれの申出が必要です(連名でまとめて申し出ることもできます)。
手続きの特徴
法務省のページでは、オンラインでも申し出ができること、押印や電子署名が要らないこと、法定相続人の範囲や相続分を確定しなくてよいこと、登録免許税がかからないことなどが紹介されています。
本当の登記は別に
ただし、これは名義を変える登記ではありません。遺産分割がまとまったら、あらためてその内容の登記を申請する必要があります。この遺産分割後の登記の義務は、相続人申告登記では果たせないとされています。また、相続した不動産を売ったり、抵当権を設定したりするときは、相続登記が必要です。
義務化の早見表
ここまでの内容を、表にまとめました。
表の見方
これは原則をまとめた目安です。ご家庭ごとの事情によって変わることがあるので、くわしくは法務局で確かめてくださいね。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 始まった日 | 2024年4月1日 |
| 申請の期限 | 相続で不動産を取得したと知った日から3年以内 |
| 前からの相続 | 2024年4月1日か知った日の遅いほうから3年以内 |
| 遺産分割をしたとき | 分割の日から3年以内 |
| 申請しないと | 正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象 |
| すぐできないとき | 相続人申告登記で義務を果たせる |
家系図づくりのついでに、実家の土地や建物の登記を確かめる手順
ここからは、法務省の案内をもとにした、この記事の提案です。
ここで挙げるのは、法務省のQ&Aをもとにした、この記事からの確かめ方の提案です。
不動産を書き出す
実家や田畑、山林など、家族に関わる土地や建物を書き出してみます。固定資産税の通知書が手がかりになることもあります。遠くに住む親戚の名義の土地がないかも、家族で話してみるとよいですね。
名義を確かめる
法務局で登記事項証明書をとると、いまの名義人がわかります。
家系図と照らし合わせる
名義人が亡くなっていたら、家系図を見ながら、相続人がだれになるかを考えてみます。
期限をメモ
相続を知った日や、2027年3月31日などの期限をメモしておきます。
専門家に相談
相続人が多いときや話し合いがむずかしいときは、司法書士などの専門家や法務局に相談すると安心です。法務局では、予約制の登記手続案内も行われています。
よくある質問
義務化はいつから?
2024年4月1日からです。
期限は?
相続で不動産を取得したと知った日から3年以内です。
昔の相続も対象?
はい。2024年4月1日より前の相続も対象です。
申請しないと?
正当な理由がなければ、10万円以下の過料の対象になることがあります。
すぐに登記できないときは?
相続人申告登記で義務を果たすことができます。
どこに相談すればいい?
法務局や、司法書士などの専門家に相談できます。
相続登記は「知ってから3年以内」
法務省のQ&Aによると、2024年4月1日から相続登記の申請が義務になり、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請する必要があります。前からの相続も対象で、すぐにできないときは相続人申告登記も使えます。家系図づくりをきっかけに、家族の土地のことも、ゆっくり確かめてみてくださいね。 家族の歴史をたどることは、これからの家族のためにできることを考える時間にもなりそうです。